成分名:トリメトプリム・スルファジアジン

 

(規制) 要指示薬

 

 

(商品名)

注射剤:トリブリッセン注射液@

経口剤:錠剤;トリブリッセン錠480A

 

 

(用法・用量)

 

1. 注射剤

 犬、猫:11回体重1kg当たり0.125mLを皮下に注射する。ただし、症状により上記量を3日間連続して注射することができる。

2. 経口剤

 犬:1日体重16kg当たり1錠を、1回あるいは2回に分けて経口投与する。

 

 

(使用上の注意)  詳細は、各社の使用説明書を参照のこと。

 

1. 注射剤

【対象動物に対する注意】

1. 制限事項

 本剤は、犬、猫以外には使用しないこと。

2. 副作用

(1) 本剤は、ときに嘔吐・流涎があらわれることがある。

(2) 本剤は、注射時の疼痛及び注射部位の硬結がみとめられることがあるので、同一箇所の反復注射は避けること。

(3) 本剤の有効成分であるトリメトプリムは、実験動物で催奇形作用が認められているので、使用にあたっては慎重を期すこと。

(4) 外国において、トリメトプリムとサルファ剤との配合剤の比較的長期投与により、多発性関節炎、再生不良性貧血、血小板減少症、白血球減少症、肝毒性、糸球体腎炎、多発性筋炎、皮疹、巣状網膜炎、乾性角膜炎の発生、甲状腺機能低下が報告されている。やむをえず週余を超えて投与する場合は、血液検査を定期的に行い、血液構成成分の有意な減少がみられた場合は投与を中止すること。

(5) 本剤の投与により、強直歩行及び抑鬱等の中枢神経症候、下痢等の消化器障害、表皮壊死症等の皮膚障害、出血傾向等が報告されている。

 

2. 経口剤

【対象動物に対する注意】

1. 制限事項

 本剤は、犬以外には使用しないこと。

2. 副作用

(1) 本剤は、ときに嘔吐があらわれることがある。

(2) 本剤の有効成分であるトリメトプリムは、実験動物で催奇形作用が認められているので、使用にあたっては慎重を期すこと。

(3) 外国において、トリメトプリムとサルファ剤との配合剤の比較的長期投与により、多発性関節炎、再生不良性貧血、血小板減少症、白血球減少症、肝毒性、糸球体腎炎、多発性筋炎、皮疹、巣状網膜炎、乾性角膜炎の発生、甲状腺機能低下が報告されている。やむをえず週余を超えて投与する場合は、血液検査を定期的に行い、血液構成成分の有意な減少がみられた場合は投与を中止すること。

(4) 本剤の投与により、強直歩行及び抑鬱等の中枢神経症候、下痢等の消化器障害、表皮壊死症等の皮膚障害、出血傾向等が報告されている。

 

 

(休薬期間:使用禁止期間)

 

 

 

 

「副作用」

 

1.

1) 1週間以上投薬された2頭の犬 (German Whitehaired PointerGordon Setter) で多発性関節炎と発熱がみられた。投与中止13日で2頭とも回復。Pointer犬では同じ薬の再投与により1日以内に多発性関節炎と発熱が再発し、投薬中止により臨床症状が回復した。(ノルウェー)

同様の2例がNorweyian大学で報告されている。1)

2) 肺のParagonimus感染及び二次性肺炎の可能性のある犬1頭に14mg/kg12時間間隔、14日間投与後及びフェンベンダゾール50mg/kg11回、14日間投与の完了5日後に元気消失、食欲不振、中程度の貧血 (PCV36)、白血球減少症 (800cells/µL)、血小板減少症 (20000platelet/µL)、骨髄形成不全がみられた。治療 (抗生物質等のSC) により4日後に回復。 (USA) 2)

3) トリメトプリム−サルファ剤により犬で6例発疹が生じた。皮膚の発疹は投薬312日後に発生したが、臨床及び組織学的に症状が異なっていた。:3頭は広範囲の膿疱性皮膚炎、1頭は多発性紅疹、1頭は穿孔性毛嚢炎 (濾胞炎)1頭は穿孔性毛嚢炎と多発性紅疹、さらに4頭は発熱し、1頭は関節腫脹。投薬を中止すると3週間以内に全例で皮膚の発疹は消失。1頭の犬はトリメトプリム−スルファジアジンを再投与したところ再発した。(USA) 3)

4) 心臓機能不全及び頭皮のひだに表在性膿皮症のある犬 (10歳、♂、Pekingese) にジゴキシン (120.063mg) フロセミド (120mg) トリメトプリム−スルファジアジン (Geatrin120121錠ずつp.o.) 投与した。9日後に元気消失、食欲不振が2日間連続した。臨床検査により、発熱 (39.5) 及び多数箇所の関節痛であった。滑液検査等により非敗血症性の多発性関節炎と診断された。投薬中止により他の治療はせずにすぐ回復した。このような特異体質的反応は大型犬でなくともいろいろな品種で起きる。 (イギリス) 4)

5) 子宮膿症治療のため、トリメトプリム−スルファジアジン30mg/kg12時間毎に2週間投与したところ、胆汁うっ滞性の肝障害が発現したという報告。5)

6) 外科手術後4日目に死亡した犬を剖検したところ、急性尿細管・間質性腎炎が認められ、ハロタン麻酔、フルニキシンメグルミンおよびトリメトプリム−スルファジアジンの併用による虚血性変化あるいは毒性によるものと考えられた。6)

7) 膣炎治療のため、トリメトプリム−スルファジアジン治療 (480mg/12h) を行った7ヵ月齢、25.5kg、未経産雌グレートピレネー犬が、その後、数日間くしゃみ、嗜眠性となり、12時間以内の両側鼻出血を起こした。7)

8) 19851994年にユトレヒト大学で報告されたトリメトプリム−スルフォンアミド配合剤による副作用について調べた。皮膚及び全身の副作用が19匹の犬において見られた。皮膚以外の副作用としては、強直歩行 (7)、多発関節炎 (4)、跛行 (3)、抑鬱 (5)、嘔吐 (3)、下痢 (2)、鼻出血(1)、出血傾向 (1) 等が見られた。皮膚及び組織の副作用は、表面壊死 (3)、多発性紅疹 (1)、落葉性天疱瘡 (1)、滲出性皮膚炎 (5)であった。その他、肝酵素上昇 (2)、フィブリノーゲン減少 (1)、局部的炎症 (1)も見られた。副作用は投与後714日後に見られ、スルフォンアミドの中ではスルファジアジンが副作用が一番多く見られた (76)。トリメトプリム−スルフォンアミド配合剤による副作用の出現率は0.25%であった。11)

9) カナダ獣医薬務局への副作用報告。スルファジアジンとトリメトプリムの配合剤を、尿路感染症のある10ヶ月齢のbichon種犬に経口投与したところ、投与後5日目に食欲廃絶、嘔吐、下痢が見られ、治療したが死亡した。死後の剖検により、中毒性肝障害、薬物による障害 (広範な肝壊死、他の臓器の点状出血) が認められた。12)

10) 投薬後1週間後に3例、3週間以内に6例でチロキシン (T4) 濃度が最小参照濃度より低くなった。この6例の甲状腺刺激ホルモン (TSH) 濃度は4週間以内に最大参照濃度より高くなった。残りの1例では6週間投与によってもT4TSH濃度は影響されなかった。13)

11) 準臨床的なコクシジウム症の治療のためにトリメトプリム−スルファジアジン(24mg/kgPOq12h) 40日間投与されていた9歳の犬 (体重10.8kg) が、サルファ剤による甲状腺機能減退症と診断された。トリメトプリム−スルファジアジン投与を中止し、サイロキシン、エンロフロキサシンの投与と低タンパク質食により回復した。甲状腺機能も156日後にはほとんど回復した。14)

12) 16週前にトリメトプリム−スルファジアジン960mg (18mg/kg) 12時間間隔で投与されていた4歳の体重38.6kgのゴールデンレトリバー種の雄イヌが、突然の後肢の跛行を訴えて来院した。神経学的検査では姿勢の異常と後肢の失調以外の異常は認められず、骨盤・胸腰脊髄のエックス線像でも異常は認められず、関節穿刺でも正常の関節腔液であった。血中のチロキシン (T4) を測定したところ検出されず、甲状腺機能低下症と関連した神経筋の異常が疑われた。15)

13) 家畜衛生週報・動物用医薬品副作用情報

副作用及び症状

発生数

転  帰

治癒

死亡

不明

記載なし

腫脹硬結

3

2

 

1

 

流涎

1

1

 

 

 

 

2.

1) 19851994年にユトレヒト大学で報告されたトリメトプリム−スルフォンアミド配合剤による副作用について調べた。皮膚及び全身の副作用が2匹の猫において見られた。皮膚及び組織の副作用は、多発性紅疹 (1)、滲出性皮膚炎 (1) であった。11)

2) 家畜衛生週報・動物用医薬品副作用情報

副作用及び症状

発生数

転  帰

治癒

死亡

不明

記載なし

流涎

5

5

 

 

 

投与後3090分で嘔吐、軽度下痢

10

10

 

 

 

震え、痙攣

1

1

 

 

 

 

3. トリメトプリム・サルファ剤

1) 長期投与の副作用として、複数の犬に白血球減少症、血小板減少症、貧血が発生した。長期投与の場合には血液検査をした方がよい。(ドイツ、 犬) 8)

2) サルファ剤−トリメトプリム配合剤の長時間投与により、白血球減少症、血小板減少症、時に大赤血球高色素性貧血が発現。3)

 

 

[安全性]

 

1.

1) 注射剤

 治療量の3倍量、6日間頸部皮下に注射した試験で、著明な局所刺激作用はみられておらず、一般臨床症状にも重篤な変化は観察されていない。赤血球数、血色素量に注射期間中減少が、また白血球数の増加が認められた。GPT、コレステロールのわずかな減少が認められた。注射剤を高用量連続投与すると赤血球系造血や、肝、腎、甲状腺に影響する傾向がわずかにみられるが、投与を中止することにより、回復することから、治療量で適用を避ければ、影響はみられず安全に投与できる。9)

2) 経口剤

 治療量の約3倍量 (有効成分として80100mg/kg)10日間連用した試験では赤血球のわずかな減少が、またヘマトクリット値に減少傾向が認められたが、投与中止後すみやかに回復。治療量の10倍量、毎日朝夕2回にわけて20日間投与した試験で、子犬、成犬ともに最終投与日に白血球の減少傾向、尿素窒素の上昇を認めた。9)

2.

1)注射剤

 治療量の3倍量、6日間頸部皮下に注射した試験で、著明な局所刺激作用はみられておらず、一般的臨床症状にも重篤な変化は観察されていない。ただし、注射後の不快感が注射4日目頃より現れ、食後の減退、流涎がわずかに認められたが注射中止後直ちにこれらの症状は消失した。赤血球数、血色素量に注射期間中減少が、また白血球数の増加が認められた。注射液を高用量連続投与すると赤血球系造血や、肝、腎、甲状腺に影響する傾向がわずかにみられるが、投与を中止することにより、回復することから、治療量で連用を避ければ、影響はみられず安全に投与できる。9)

2) 経口剤

 治療量の約3倍量 (有効成分として80100mg/kg)10日間連用した試験では赤血球のわずかな減少を認めた。通常治療量 (3057mg/kg)30日間投与した試験で、子猫では異常を認めていないが成猫では28日目の赤血球が有意に減少した。9)

 

 

[残留性]

 

 

 

 

[非臨床試験]

 

1. 急性毒性

各実験動物におけるLD50 (mg/kg) 10)

薬 剤 名

投与経路

マウス

ラット

トリメトプリム

  

5200

(4200-6400)

5400

(4500-6500)

1670

(1390-2005)

1670

(1360-2060)

腹腔内

1870

(1520-2480)

2200

(1500-3220)

1530

(1300-1805)

1460

(1227-1737)

  

5000

5000

5000

5000

スルファジアジン

  

7500

7500

7500

7500

腹腔内

3000

3000

3250

3250

  

5000

5000

7500

7500

トリメトプリム−

スルファジアジン

(15合剤)

  

6000

6000

6000

6000

腹腔内

2710

3950

2725

2475

  

6000

6000

6000

6000

 

 

[出典]

 

1)  T.Taksdal Norsk (1987) Veterinartidsskrift.,99(10) 725-727

2)  D.J.Weiss et al. (1990) J.Am.Vet.Med.Assn.,196(3) 472-475

3)  L.Medleau et al. (1990) J.Am.Vet.Med.Assn Hospital Assn.,26(3) 305-311

4)  C.J.L.Little et al. (1990) Vet.Record.,127(18) 459-460

5)  Rowland,P.H.,Center,S.A. and Dougherty,S.A. (1992) J.Am.Vet.Med.Asocc.200(3) 348-350

6)  McNeil,P.E. (1992) Vet.Rec.131(7) 148-151

7)  Sullivan,P.S. et al. (1992) JAVMA 201(11) 1741-1744

8)  Trimborn,A und Vick,K.P. (1992) Prakt.Tierarzt,73(1) 26-27

9)  共立製薬 (1985) SAC誌;第89

10) 動物医薬品共同組合未発表資料(1996)

11) Noli C et al. (1995) Veterinary Quarterly 17(4) 123-128

12) (1995) Can Vet J 36 246-249

13) N.L. Wiliamson et al.(2002) JAVMA.221(6) 802-806

14) Jody L. et al.(1999) JAVMA.214(7) 1028-1031

15) S.M.F.Torres et al.(1996) Veterinary Dermatology,7,105-108