成分名:メラルソミン二塩酸塩

 

(規制) 要指示薬、毒薬

 

 

(商品名)

注射剤:イミトサイド

 

 

(用法・用量)

 

 本剤は用時、日局注射用水2あるいは5mLで溶解して用いる。1回体重1kg当たり0.088あるいは0.22mL (メラルソミン二塩酸塩として2.2mg) 3時間間隔で2回筋肉内に注射する。

 

 

(使用上の注意)  詳細は、各社の使用説明書を参照のこと。

 

対象動物に対する注意

1. 制限事項

1) 本剤の投与前には健康状態について検査し、異常を認めた場合は投与しないこと。

2) 本剤は犬以外には使用しないこと。

3) 本剤の投与前には必ず、運動不耐症、持続性発咳、呼吸困難、喀血、失神、貧血、たん白尿、腹水、頚静脈拍動、異常X線所見 (右心室・肺動脈拡張、肺陰影増加等) 等を指標として病勢を判断すること。

4) 犬糸状虫症の病勢の進行した犬や大静脈症候群を呈する犬では、重度の肺動脈栓塞を伴って死亡することがあるので投与しないこと。

5) 妊娠犬に対する安全性を確認していないことから、妊娠犬には投与しないこと。

2. 副作用

1) 本剤の投与により、元気・食欲減退、発熱、発咳、注射局所の疼痛・腫脹、歩様異常を起こすことがある。

2) 本剤の投与により、ときに呼吸促迫、呼吸困難、下痢、嘔吐、振せん、失神、流涎を起こすことがある。

3) 副作用が認められた場合は、速やかに獣医師の診察を受けるように指導するとともに、副作用に対して適切な処置を行うこと。

3. 適用上の注意

1) 本剤は筋肉 (背腰筋あるいは臀筋が望ましい) 内に確実に投与し、2回目の投与は1回目と別の部位に行うこと。

2) 本剤の投与により、病勢の程度にかかわらず駆除された虫体が肺動脈で栓塞を起こすので、投与後の犬の管理 (運動制限、栄養管理等) には十分注意するよう指導すること。

特に運動制限は投与前数日から投与後1か月間を目安に行い、病勢の進行度によってはその程度を厳重にすること。

3) 急性中毒を起こした場合は適切な中和剤 (例えばBAL) を投与すること。

 

 

(休薬期間:使用禁止期間)

 

 

 

 

「副作用」

 

1. 家畜衛生週報・動物用医薬品副作用情報1)

副作用及び症状

発生数

転  帰

治癒

死亡

不明

記載なし

注射部位の腫脹・硬結

2

2

 

 

 

注射部位の腫脹・出血壊死

1

1

 

 

 

発熱、疼痛

2

2

 

 

 

元気・食欲消失

3

3

 

 

 

発咳

1

1

 

 

 

呼吸促迫

1

 

1

 

 

 

2. 新医薬品の使用成績に関する調査報告:

 6年間の調査において、重度の肺動脈塞栓等の併発症による死亡が、犬1,087頭中15頭認められた。これらの症例はいずれも病勢が進行しており、一部本剤適用外の症例も含まれる。2)

 

 

[安全性]

 

 常用量 (3) あるいは2倍量 (4) 3日間連続 (3時間間隔で12) 注射した。常用量群の約半数に1回目注射後30分〜2時間、2回目注射後30分〜3時間に元気・食欲減退が、1頭に2,3日目の各注射後に伸吟が観察された。2倍量群の全頭に、1回目注射後30分〜3時間、2回目注射後30分〜5時間に元気・食欲減退が観察された。局所反応として、両群とも約半数に各注射後数時間、軽度の疼痛が、各1頭に一過性の歩様異常が観察された。腫脹、硬結は認められなかった。血液検査では、両群のほぼ全頭に注射終了後1日にGOTCPKの上昇が認められた。3)

 

 

[臨床試験]

 

動物管理センター収容犬 (剖検例、75)

 全身反応として、元気・食欲減退が30 (40.0%)、発熱が18 (24.0%)、呼吸促迫が3 (4.0%)、発咳が8 (10.4%)に観察された。元気・食欲減退、発熱は注射後数日以内に回復するものと、持続し肺動脈塞栓に伴う症状と考えられるものがあった。また、発咳は注射後数日から観察され、大部分は数日間持続した。呼吸促迫は一過性であった。注射前に元気・食欲減退、被毛粗剛、栄養不良、粘膜蒼白、咳、呼吸困難、異常呼吸音、心内雑音、不整脈、GOTGPT及びBUNの高値がみられた3 (2頭:2.2mg/kg3あるいは6時間間隔で2回注射、1頭:2.4mg/kg3時間間隔で2回注射) 1216日に死亡し、剖検で肺出血がみられ、死因は肺動脈塞栓と考えられた。

 局所反応 (腫脹、疼痛、歩様異常) は、部位を変えて注射した54頭では12 (22.2%) に観察されたが、腫脹はみられず、疼痛及び歩様異常が1頭では2週間持続したが、11頭では注射後3日以内に消失した。同側部筋肉に2回注射した21頭では20頭に局所反応が観察され、疼痛及び歩様異常は大部分は一過性であったが、腫脹は3週間持続し (15)、剖検で注射量と関係なく注射部位を中心とする広範囲の筋肉、筋膜の出血、壊死がみられた。

 

来院犬 (29)

 全身反応として、元気・食欲減退が6 (20.7%) にみられ、翌日から2週間で回復した。発熱、嘔吐、振せんが注射当日に各211 (6.93.43.4%) に、失神が注射後13日に1 (3.4%) に、発咳が注射後14日から数日間あるいは1319日に7 (24.1%) に観察された。

 局所反応 (腫脹、疼痛、歩様異常) 10 (34.4%) に観察され、9頭は翌日〜6日に消失したが、1頭では15日まで持続した。4)

 

 

[非臨床試験]

 

1. 急性毒性  致死量 (LD50 95%信頼限界、mg/kg) 5)

  

投与経路

LD50

マウス

  

617 (524725)

565 (467683)

筋肉内

58 (4963)

65 (5379)

静脈内

58 (5363)

60 (5466)

ラット

  

325 (287368)

392 (326472)

筋肉内

22 (1730)

36 (3047)

静脈内

23 (1828)

21 (1825)

 

2. 毒性徴候

  

投与経路

毒性徴候

マウス

  

運動性低下、虚脱

筋肉内

運動性低下、振せん、昏睡、立毛

静脈内

運動性低下

ラット

  

運動性低下、虚脱、振せん、立毛

筋肉内

運動性低下、立毛、振せん、尾・耳・肢端蒼白

静脈内

運動性低下

 

 

[出典]

 

1) 家畜衛生週報・動物用医薬品副作用情報

2) 家畜衛生週報・動物用医薬品副作用情報,2424(1996)、動物医薬品協同組合未発表資料(2000)

3) 動物医薬品協同組合未発表資料 (1990)

4) 坂本紘 (1989) 40回九州地区獣医師大会、大石勇ら (1990) 平成2年度小動物獣医学会、動物医薬品協同組合未発表資料 (198919921993)

5) 動物医薬品協同組合未発表資料 (1989)